CCRC構想について
桜美林ガーデンヒルズにおけるCCRCの取り組み
桜美林ガーデンヒルズ連携推進室室長
芳賀 博
CCRCとは、「高齢者が健康でアクティブな生活を送りながら、医療や介護が必要になった時には継続的にケアが受けられる地域共同体」のことをいいます。CCRCの発祥は米国ですが、ここでは桜美林ガーデンヒルズ版のCCRC構想について紹介させていただきます。(概要図参照)
最も大きな特徴は、《桜美林学園》との連携型であるという点です。大学(大学院)~幼稚園までの多世代にわたる学生、生徒、園児と入居者の皆さまとの学びの場を通じた交流を大切にしています。入居者の皆さまが授業、ゼミ等で学ぶだけではなく、時には、講師役として豊富な経験に基づき情報提供する教えることも期待されます。また、敷地内に《学生棟》を配置することでそこに住む学生との世代を超えたふれ合いが日常的なものになるようにも設計されています。
桜美林大学名誉教授 芳賀 博(老年学)
《交流棟》においては、趣味や健康づくり、ゼミ学生主催のワークショップなどのイベントを通じて入居者の方だけではなく地域の人も含めた交流促進も図られています。
《サクラれすとらん》では、町田市や高齢者支援センターとの連携事業として認知症カフェの開催や認知症関連の図書コーナーなどの設置も行い、地域の人も参加できる対話を通じた学習と交流づくりの場も進められています。これらをきっかけにして認知症になっても安心して住み続けられるまちづくりにもつながることを目指しています。
また、入居者の皆さんの健康に関する不安や困りごとに対するちょっとした相談にも応じられるように敷地内に《健康管理相談室》を設けています。さらに病気になった時に備えて、近隣の病院・診療所との連携体制も整えています。以上のような取り組みは、行政からも注目されており、令和3~5年度版の東京都高齢者保健福祉計画および町田市いきいき長寿プランでも先進事例として紹介されています。今後の計画として、連携推進室では高齢者向け製品や食品などの業界との共同研究も模索しており、得られた成果を桜美林ガーデンヒルズの新たなサービス体制に組み込んでいくことも考えています。
桜美林ガーデンヒルズ連携室では、産・官・学・民の連携をより一層推進することで、入居者の皆さんの”健康長寿と生きがいの持てるコミュニティ”の創造を目指しています。言うまでもなく、これらの取り組みの主人公は入居者の皆さまです。皆様の積極的な参加を大いに期待しているところです。